かかしのマトマー おばけのくにへ Part2 Illustrations by Seiya Imamura
かかしのマトマー おばけのくにへ
イマムラセイヤ 作
おばけの国に朝が来ました 「ふわぁ・・・」マールが大あくびです。
おばけでかかしのマトマーが、にんげんのおとこのこ マールをおばけの国に連れてきて
最初の朝、ふわふわの巨大な木のベッドで起きました。
まだ眠たそうなマトマーが、むっくりと起きあがると、
おなかを空かしたマール のために朝食を探しに出かけました。
好奇心いっぱいのマールは、マトマーがいない間に こっそり探検してみること にしました。
おばけの衣装で変装したマールは、近くの市場を歩いてみました。
たくさんのおばけたちが元気に食べ物や、いろいろな道具を売ったり買ったりし ています。
おばけたちは、マールが人間と気づかず、親切に声をかけてくれます
そのとき・・・
とつぜん 突風おばけのチャートが、つむじ風をまきあげながらくるくるごうごう、走り過ぎていきました。
お店の商品や、小さなおばけたちはいいめいわく みんなふっとばされてしまった。
それに、マールのかぶっていたお化けのマスクも。
マスクが取れたことに気づかないマールが歩いていると・・・
それを見た おばけたちが驚いて集まってきました。
魔女見習いの女の子、ティコが、恐る恐る聞いてきました「あ、あなたはにんげん?」
さあ大変、マールはようやくマスクがなくなっていることに気が付きました。
マールはあわてて逃げ出した それをたくさんのおばけたちが追いかけて、結局つかまってしまいました。
とらえられたマールはニョロンに手首を巻き付かれ、広場へつれていかれます。
そのとちゅう、「ドドーン‼」 大きな音が響き、土煙が上がりました。
おばけたちもマールも 驚いて目を丸くしていると、巨大なしっぽがあらわれました。
さてその頃、迷子のマールを探していたマトマーは
おばけたちの会話が聞こえてきた
「ひろばでにんげんのこどもが捕まったんですって」
ひゃああ!マトマーは思わず頭をかかえ、あわてて広場に向かいました
広場では 土煙の中から巨大なドラゴンが現れました
セラドンという名前です。
おばけたちは マールのことなど忘れ、逃げ回っています
セラドンをじっと見つめているマールのもとに、ようやくマトマーが駆けつけました
「マトマー、あの竜 しっぽに何か刺さってるよ」
マールはそういうと ドラゴンのしっぽめがけて走り出しました
それは マールを追いかけているとき、おばけが投げた槍でした
マールは槍を引っこ抜こうとしがみつくと
セラドンは痛くて思いっきり空高く舞い上がっていきました
しっぽの槍にぶら下がったまま マールも空高くつれていかれて…
突然、すぽっと槍が抜けてしまいました!
マールは槍を持ったまま落ちていきます
下で見守っていたおばけたちからも悲鳴が上がります
「助けてマトマー!!」
その瞬間 マトマーが勢いよく空へ飛びあがると
落ちてきたマールをふわりと受け止めました
そして…
マトマーの服がみるみる大きく広がって まるでパラシュートのようになりました
大きなマトマーパラシュートは ゆっくりゆっくり降りていきます
下でみていたおばけたちから 大きな歓声が上がりました!
どうやらこの事件でおばけたちは心をゆるしたようです
「ようこそマール!おかえりマトマー!おばけのくににようこそ!!」
これから新しい冒険が始まります でも、それは別の機会に…